ペンとマスカラ

映画のメモと、思考の断片。

命はそれ自体としてすでに尊い

1年、すごく早かったようで、長くもあった。

いろいろなことがあったというよりも、日々の繰り返しで過ぎていった。

毎日、毎日、オムツとミルクと睡眠のサイクルを繰り返す。私たち大人よりずっと早く、ずっと短く。すべてが小さく、弱く、儚い。気がついたら消えてしまっているんじゃないかと、怖くなって何度も飛び起きた。

まだまだ、心配は尽きないけれど、たくさんの手助けのおかげでまずは1年、なんとかやってこられた。その間、幸いにして大きな怪我や病気もせず、つくづく運の良い子だと思う。命は、私の手とは別の理りで動いていて、私たちはほんの少し、それを手伝うことができるだけのようだ。

子どもはすごくかわいいけれど、私たちは彼にとって一時の宿でしかない。この世に産んでしまったのは私だから手助けは精一杯するけど、生きるのは彼の命によってだ。私も夫もいずれ死ぬ。残酷だけど仕方ない。人生は楽じゃない。でも楽しく生き抜ける。どんな生き方になっても、よろこびに満ちた人生になるように。